国際的に通貨信用力が低いベトナムドン。
好景気に沸くベトナムには約25,000名の日本人が暮らしています。(2019年時点)
現地に移住する際やビジネスを始める際、まとまった現金を持込む人が多いのですが、住居侵入やホテルでさえ盗難も多いベトナムでタンス預金はリスキーです。
日本人の場合、流動性が高い日本円と現地で使うドンをバランス良く保有・保管しておきたいものです。
今回は、ベトナムで現金を税関申告して銀行に”安全に”外貨預金する方法を紹介します。日本円やUSドルを、ベトナムドンに両替せずに安全に保管したい人必見!
STEP1. 「入国時に税関で申告」
まずは、国際空港から入国する際に税関で外貨持込み申告を行います。
入国審査を終え、預け入れ荷物を受け取ったら赤いサイネージ”Goods to declare”で申告し、スタンプが押されたハガキサイズのカード(申告証明書)を受け取ります。
実際に持込む現金を見せて金額をチェックされます。万が一申告を怠ったりカードを紛失した場合、持ち込んだ現金は銀行に”外貨のまま”預けることは不可能です。
STEP2.「銀行で外貨口座を開設」
次に、銀行で外貨を預金するための受け皿となる外貨口座を開設します。
一般的に、ベトナムの大手商業銀行はUSD・JPY・CNY・EURなどの国際主要通貨はの口座を開設できます。取り扱い通貨の種類、最低預金額、入出金手数料は銀行によって異なります。
また、外国人の外貨預金については利息ゼロと定められいるので理解が必要です。一方で、ベトナム人の場合はUSDでも1%などの金利がつきます。
じゃあ、「全てベトナムドンに両替して定期預金にブッこめば6-8%の高金利?」と言うの勿論正論ですが、ベトナムの金融制度では銀行内取引で外貨→VNDは可能でも、VND→外貨は出来まないのでポートフォリオ次第です。
STEP3.「銀行で外貨口座に預金」
そして、外貨口座に預金するための手続きを窓内で行います。
パスポート、申告カード、現金に加えて、専用用紙”Deposit Slip”に口座番号・住所・預入れ金額を記入してサインをします。
申告カードの表面には有効期限日が、裏面には申告金額と通過がそれぞれ記載されています。通常は入国日から3ヶ月間有効で、過ぎると無効になるで要注意。
あくまで、事前申告した金額・有効期限の範囲での預金が許可される仕組みです。
例えば、以下のカードは50万円+300ドルの申告した内容が記載されています。ですので、上限はJPYで50万円、USDで300ドルが最大預金可能金額です。
提出した現金は機械で正確に枚数を数えます。偽札じゃないかもチェック。ベトナムの銀行ではダメージが大きい外貨(特に米ドル)は預金拒否されることもしばしばあります。

この時、申告カードは面面に入金した金額を記載後、銀行スタンプを押して返却されます。資金ソースの公的証明書でもあるので、大切に保管しましょう。
銀行によっては受付窓内と預金窓内が別れており、申請を行った後、別カウンターに現金を持って行きます。
預金手続きが完了したら控えを貰います。インターネットバンクから口座バランスを確認できます。即時反映なので安心。

最後に
安心・安定の日本円・ドルは持っておくべし!
ベトナムでは以下の通り、保有資産のポートフォリオは大切です。
- 日常使い・事業資金としてのベトナムドン
- 資産運用(定期預金・ファンドなど)してのベトナムドン
- 安定資産としての外貨(ドル・円など)
外貨を外貨のままで銀行に保管するには、①国際送金、②税関申告→預金、③給料(ドル指定)の3択のみです。マネロン規制のため、これ以外の方法で銀行が外国人が持ってくる外貨の資金ソースの正当性を確認出来ないのです。
なので、数十万や数百万単位で外貨を持ち込む際は、是非空港で税関申告しておきましょう。旅行者でも現地の銀行口座(該当する外貨アカウント)を持っていれば、いつでも手軽に使える方法です。
現地人は自国のドンを信用していないので、基軸通貨”USドル”での現金保有を好みます。特に、現地の富裕層は銀行に外貨で預けるだけはなく、税金対策や銀行リスクを鑑みて自宅に現金でドルを保管することも多いです。
一方、外国人にとって、海外旅行や一時帰国する際にドンしか持っていないと不安です。為替リスクと両替の手間が面倒です。日本人の場合、一定額の円かドルは持っておくのが安心です。
余談ですが、アジアでもタイなんかはバーツが相当強いので為替リスクは無いんですけどね…
