今回はベトナムの国営銀行で最大の規模を誇るBIDV(ベトナム投資開発銀行)の銀行口座を開設した様子をレポートします。
BIDV/ベトナム投資開発銀

4大国営商業銀行 最大手
BIDV(Bank for Investment and Development of Vietnam)はベトナムの4大国営商業銀行の一角であり、日本語ではベトナム投資開発銀行です。
ベトナム全域をカバーする1000店の支店、24,000名の従業員、70兆ドン(3,500億円相当)の時価総額、850兆ドン(4.3兆円)の総資産、など各指標がその大きさを物語っています。
2016年に発表された世界で最も価値のある銀行ブランドトップ500「413位」にランクインしており、ベトナム国内ではVietinbankに次いで2位です。ただし、ベトナム国内ではVietcombankの方が評価が高い印象があります。(個人談)
英国ブランドコンサルティング会社のBrand Finance社発表の世界の銀行のブランド力を数値化したランキング「世界で最も価値のある銀行ブランドトップ500」では、Vientinbank(389位)、BIDV(413位)、Vietcombank(450位)の3行が選出。BIDVは今回が初のランクイン。ブランド力格付けは「A」を獲得。
ジャパンデスクを設置
BIDVは日本語が(そこそこ)話せるスタッフを配置したジャパンデスクを2013年より設置しし、現地で日本語によるサ ービスを受けることが可能です。しかし、日系法人向けのサービスの部署ですので、個人向けのリテールサービスのサポートはありません。ハノイ本社とホーチミンに1箇所づつあります。
ジャパンデスクウェブサイト:http://japandesk.bidv.com.vn/
必要書類
BIDVは旅行者でも観光ビザで銀行口座が開設可能です。ビザ無しの場合は100%不可能です。但し、支店・担当者によってはワークパーミットやレジデンスカードを要求される場合があります。※年々厳しくなっています。
- パスポート
- ビザ(査証)
普通口座の開設フロー
STEP1. 支店へ行く
BIDVの最寄り支店へ行き、個人口座開設の旨を伝えます。
STEP2. 開設目的・質疑応答
開設目的を聞かれますが「給料の振込口座」と回答します。逆に言うと、其れ意外の開設は受け付けて貰えません。また、BIDVはネットバンクを始めとして各種サービスは、開設時に合わせて申込する必要があるので、英語で一つ一つ確認が必要です。他行に比べて、英語が流暢ではない人は厳しいです。

STEP3. 必要書類に記入
パスポートやビサの情報に加えて、電話番号、勤務先、居住住所などを書きます。BIDVは書類のボリュームが他行に比べて少ないです。SMSバンキングを利用する場合は、現地の携帯電話番号が必要です。
実はBIDVではモバイルアプリ(ネットバンク専用アプリ)のサービスがあり申込可能ですが、ベトナム語のみの対応なので、実用性はありません。

STEP4. 支払い
手数料はかかりませんが、最低デポジットを支払います。VND口座の50,000VNDとUSD口座の10USDが必要です。
STEP5. 口座番号・ID・PSの発行
15分程度で銀行口座が開設され、合わせてインターネットバンク(要申込)のユーザーIDと初期パスワードが発行されます。
STEP5. ネットバンクにログイン
ユーザーIDと初期パスワードを用いて、VIDVホームページよりネットバンクにログインします。BIDVのホームページは日本語対応しているものの、ネットバンクにログイン後はベトナム語のみ対応なので外国人には使いにくいサービスと言えます。

BIDVジャパンデスクのHPから入ると、日本語表記でネットバンクにログインできる。http://japandesk.bidv.com.vn/
STEP6. ATMカードの受取・アクティベーション
7営業日以降に同支店に出向き、ATMカードを受け取ります。カードを受け取ったら、すぐにATMでアクティベーション作業を行います。受取場所は開設した支店のみです。
定期預金
定期預金の金利は4.8~7.0%
普通口座の保有者のみ、定期預金口座を開設できます。一般的にベトナムの商業銀行での定期預金金利は平均年利6%〜最大8%です。外国人はVNDのみが対象です。定期は普通預金とは異なり、店頭窓口でのVNDでの入金のみ可能です。尚、定期解約は簡単で解約時に現金を引き出すことも可能です。
BIDVでは、一年間の金利は4.5%ですが、期間や金額になどによっては最大7.0%まで上がります。
現地人は外貨で定期預金が可能
ベトナム人に限っては、VND意外にUSD、EUR、JPYなど多種多様な外国通貨で定期預金ができます。USDは0%ですが、EURは最大0.7%、JPYでも最大0.3%ほどの金利がつきます。
クレジットカード

BIDVでは非居住の外国人でも定期預金口座があればクレジットカードの発行が可能です。しかし、ビザの有効期限以内でのみ利用可能と制限があり、非常に不便です。ビザを更新する度に、店頭でクレジットカードの期限更新が必要です。
ATMカードの申請時にVisa Debit機能をつければ、世界中で利用可能ですので十分に事足ります。
さいごに
BIDVの口座開設レポート、いかかでしたか?
BIDVは日本語デスクを設置していますが、リテール分野では日本人には然程メリットはありません。また、支店の雰囲気、行員スタッフのユニフォーム、サービスの質、ネットバンクの使いやすさ、などを総合的に考えると、イマイチな評価です。ベトナム国内ではVietcombankやTechcombank、そして他のHSBCなど外資系銀行の方が利用勝手が断然良いです。
とは言え、ベトナム最大手銀行の一角ですので、今のうちに口座を開設しておいて損はありません。ベトナムは、租税条約に加盟していないですし、何より金利が高いのが魅力です。