社会主義国に数十万、数百万の現金を持込む…。
税関で没収されたり、賄賂を請求されないか不安がつきもの。
しかし、安心して下さい!実は、ベトナムは海外からの”持込み”に関しては非常に寛容です。
今回は、空港で税関申告を行い合法的に外貨現金を持ちこむ方法を紹介します。
ベトナムにハンドキャリーでお金を持込む人、あとあと現金を持ち出す予定のある方は必見!
ベトナムの外貨持ち込み額の制限
ベトナムは入国時の外貨持ち込み額に制限は一切なく、理論上は申告すれば無制限に持込めます。
法令では5,000USD(55万円相当)以上の外貨(日本円や米ドル)を持っている場合は申告する必要があります。一方で、50万円を下回る場合でも申告を行い許可証(申告カード)を取得することが可能です。
短期旅行であれば特に気にすること無いでしょう。しかし、現地での就労・移住・投資・事業などの目的で現金を持込む場合は、いずれ持ち出すことを考慮する必要があります。
最初に正しく申告を行っておけば、国内で申告金額分の公的な資金ソース証明を確保できます。ですので、同等の金額の持ち出しが容易になります。
これは同じく共産党独裁の中国も同様で、外国からの現金持ち込み(IN)に対しては寛容な一方で、持ち出し(OUT)には多くの制約があります。
入国時の外貨持ち込み額に制限はありませんが、現金5000米ドルあるいは同額相当外貨、または15,000,000ドン(現地通貨)のいずれかを超えて所持する場合は、空港で税関申告する必要があります(申告用紙は税関係官に請求してください)。この申告をせずに、出国の際に上記の額を超える現金を持ち出そうとした場合には、所持金を没収されることになります。なお、10万米ドル以上あるいは同額相当外貨の持ち込み、持ち出しについては、10万ドンの手数料が徴収されます。
ーベトナム国家銀行(中央銀行)の通達第15号/2011/TT-NHNN
STEP1. 「荷物を確保したら税関へ」
まず、申告は到着から空港を出るプロセスの”最後の最後”に行います。
無事に入国審査を終えて預け入れ荷物を確保したら、フロアの赤いサイネージ”Goods to declare(申告)”の下のデスクへ行きます。タンソンニャット国際空港やノイバイ空港は左右に二箇所設置されています。
STEP2. 「申告書を記入する」
次に、デスクの税関職員に申告したい旨を伝えて申告カードを貰います。
ベトナムの場合は申請用紙ではなくカード型の厚紙です。税関職員は紺色の制服を来ていますが、稀にデスクに誰も居ない場合もあります。
記入内容で最も大切な箇所は四角い線で囲まれた申告内容の詳細です。申告する現金の合計金額を記入します。ここでJPY、USDなど複数通貨を同時申告する場合は、それぞれ通貨毎の合計金額を記入します。
STEP3. 「申告してスタンプを押印」
そして、申告カードの記入が完了したら現金と一緒に申請します。
- 記入済の申告カード
- 申告する現金
- 飛行機チケットの半券
- パスポート
申告手続きは簡素で記載の申告内容と現金チェックが主ですが、職員によってスムーズだったり、そうでなかったりします。
提出した現金を一枚づつ丁寧に数える場合もあれば、全く確認もされないことも有ります。ここで鉄板質問としては「何のためにこの金(外貨)を持ち込むのか?」ですが、「銀行に預金する」のシンプルな回答で問題有りません。
無事に申告内容が許可されると、申告書の下部に職員がベトナム語と英語で金額を手書きしてスタンプを押印して完了。最後に、裏面左側を切り取って渡して
くれます。このカードを紛失した場合、持ち込んだ現金は銀行に”外貨のまま”預けることは不可能なので、大切に保管します。
申告金額は手書き記入。不慣れな日本円の場合、桁数に間違いがある場合が散見されるので確認必須。過去に400万円の申告のはずが40万円と誤って記載されて、銀行で40万円分しか円預金出来なったケース有り。
最後に
持込みは無制限だが持ち出しは制限あり!
しっかり税関申告したお金は、現地銀行で外貨のまま預金できます。
特に、金利が高いベトナムドン定期預金に預け入れる場合の出口戦略の一つとして持ち出しルートの確保は必要です。
よって、①申告書を使って外貨預金→②口座内で外貨からVNDへ両替→③VND定期預金開設というスキームを使えば、金利を除いた元本を国際送金や現金持ち出しがといった選択肢を取れます。
海外では資金ソース証明ができれば、現地で出来ることが格段に増えます!
とりあえず税関申告しとけば間違いない!
税関での現金申告額は、つまり銀行に預け入れることが出来る上限値です。現地で生活や仕事をしていると、個人的に円やドルでお金を頂くこともあり、そんな時は銀行に預けたいもの…。
実は、しっかりお札を数えるか数えないかは職員次第。以前、実際40数万円を50万円と少し多めに申告しようとしたら、しっかり数えられて「50万円として記載して欲しいなら1万円寄こせ!」と堂々と賄賂を請求された経験があります。